『ゆれる』を観た

友達に勧められてオダギリジョー主演の『ゆれる(asin:B000KIX658)』を観た。
ドラマの映画化とかであまり面白くないモノが多いイメージが強くて、邦画はほとんど観ないのですが。
以下ネタバレ。


対照的な兄と弟で、一方的に兄が不幸になり続けるという構図を終始表現。
派手で売れてる写真家の弟に対して、ガススタンドで地味に暮らす兄。
弟と寝た女にキモがられて、挙げ句の果てにその女を吊り橋から落とした犯人にされてしまう。
終盤なんかもうドロドロで兄がかわいそう過ぎる。
弟には裏切られるし。


ただ、最後の20分ぐらいがその辺を一気に引き戻す演出ですごいよかった。
特に、兄弟の子供時代を撮った8mmを観ながら、兄を裏切ってしまったことを弟が悔やむシーン。
女が吊り橋から落ちたシーンと同じ場所の映像で、兄が弟に手をさしのべるシーンを女を助けようと兄が手をさしのべたシーンとオーバーラップさせる演出はちょっと泣けた。
最後は、兄が自殺とかしそうな感じだったが、最後に笑顔で再開してハッピーエンドだったので救われた気分。
最後の再開も、感動の抱擁みたいな演出じゃなくて、フラフラ歩く兄が弟に気付いて笑顔を見せるところで終わりというのがすごく自然でよかった。


邦画嫌いだけど、選べばいい作品もあるんだなぁ。
ちょっと古い作品ですがなかなかよかった。


うちの兄弟は、なんか修復不可能な感じの仲なんだよなぁ。
オレが実家に返らないものだから修復するきっかけもないんだが。
この映画の最後みたいだったらよいのにな、とかちょっとしみじみしてしまった。